ベッドは寝室の印象を決めるアイテムでもありますが、睡眠は生活の質に大きく関わるため、機能面を重視したいところです。ベッド選びを失敗しないためにはマットレスとベットフレームの種類や特徴を理解し、自分にあったものを選ぶことが大切です。
ベッドの選び方について、マットレスとベッドフレームのそれぞれの種類やメリット・デメリットなどをもとにみていきます。
ベッドはフレームとマットレスを組み合わせるのが基本
ベッドはフレームとマットレスをセットにした商品もありますが、フレームとマットレスを組み合わせて購入するのが基本です。
フレームのサイズは商品によって違いがありますが、マットレスのサイズはメーカーによる違いは多少あるものの、大まかに決まっています。シングル用のフレームにはシングルのマットレス、ダブル用のフレームにはダブルのマットレスといった形で、違うメーカーのものでも基本的には組み合わせられます。
ただし、メーカーによるサイズの違いから、フレームとマットレスの組み合わせによっては、多少隙間が空くなどすることもあります。また、例外として、セミシングルはメーカーによってサイズが大きく異なるため、注意が必要です。
ベッドのサイズの種類
ベッドはマットレスのサイズによって、シングルやセミダブル、ダブルといった呼称で呼ばれています。メーカーによる違いがありますが、おおまかなマットレスのサイズと使用する人数の目安をまとめました。
<おおまかなマットレスのサイズ>
サイズ呼称 | サイズの目安 | 使用する人数の目安 |
---|---|---|
セミシングル | 幅85~90cm×長さ195cm | 1人 |
シングル | 幅98cm×長さ195cm | 1人 |
セミダブル | 幅120cm×長さ195cm | 1人 |
ダブル | 幅140cm×長さ195cm | 2人 |
クィーン | 幅160cm×長さ195cm | 2人・2人+子ども |
キング | 幅180cm×長さ195cm | 2人・2人+子ども |
上記は一般的なマットレスのサイズで、メーカーによる違いがあります。
また、これはマットレスのみのサイズになりますので、寝室などのベッドのレイアウトを検討する際には、マットレスに合わせて選んだベッドフレームのサイズを確認しましょう。
マットレスの種類とメリット・デメリット
マットレスの種類はスプリングタイプとノンスプレイングタイプに分けられます。主なマットレスの種類とメリット・デメリットをまとめました。
スプリングタイプ
スプリングタイプは、マットレスの内部にらせん状のコイルスプリング(バネ)を用いて弾力性を出しているマットレスです。
ボンネルコイルマットレス
ボンネルコイルマットレスは、マットレスの内部のスプリングがすべて連結され、身体を面で支えるマットレスです。
ボンネルコイルマットレスは固めの使用感で、比較的に布団に近い寝心地で、寝返りが打ちやすいのがメリット。耐久性や通気性にも優れています。
ただし、ボンネルコイルマットレスは体圧が分散しにくいため、人によっては肩や腰に負担がかかることがあります。また、2人以上で使う場合には、寝返りを打ったときに横揺れが伝わりやすいこともデメリットです。
ポケットコイルマットレス
ポケットコイルマットレスは、内部に一つひとつ不織布の袋に入れられたコイルスプリングが敷き詰められたマットレスです。
ポケットコイルマットレスは身体の荷重に応じて、それぞれのスプリングが沈み込むことから、身体にフィットしやすく、体圧を分散できるのがメリットです。ポケットコイルマットレスはボンネルコイルマットレスと比較して、柔らかな寝心地です。ただし、コイルの数が多いほど固めになります。
また、ポケットコイルマットレスは通気性や耐久性の面では、ボンネルコイルマットレスに劣っていることがデメリットです。寝返りが打ちにくいと感じる可能性もあります。
ノンスプリングタイプ
ノンスプリングタイプはコイルスプリングを使用せず、弾力性のある素材を使っているマットレスです。耐久性や通気性がスプリングタイプよりも劣ることが難点です。ただし、ダニが発生しにくく、品質に対して比較的リーズナブルといったメリットがあります。
ウレタンマットレス(低反発・高反発)
ポリウレタンを発砲させてウレタンフォームを用いたウレタンマットレスは、硬さによって低反発・高反発に分類されています。低反発ウレタンマットレスは、身体に合わせてマットレスが沈む柔らかな寝心地が特徴です。一方、高反発ウレタンマットレスは硬く、身体が沈みにくいことから、寝返りが打ちやすいという特徴があります。
ラテックスマットレス
ラテックスマットレスに使用されている素材は、天然ゴムを使用した天然ラテックスと合成ラテックスに分けられます。ラテックスマットレスは寝返りなどの振動を吸収し、適度な硬さがあることがメリットです。
ただし、特に合成ラテックスは臭いが気になる可能性がある点がデメリットに挙げられます。また、ゴムアレルギーのある方がラテックスマットレスの購入を検討する際には、事前に医師に相談しましょう。
マットレスはメーカーのショールームや専門ショップのほか、一部のインテリアショップなど、お試し用のマットレスが設置されている場所で、実際に横になって体感して選ぶのがおすすめです。
ベッドフレームの種類とメリット・デメリット
ベッドフレームにはヘッドボートや収納の有無、高さなどによる種類があります。ヘッドボードの種類と、その他の部分の種類を挙げ、特徴やメリット、デメリットをまとめました。
ヘッドボードの種類
ベッドのヘッドボードの種類はキャビネットの有無によって、スタンダードベッドと宮付きベッドに分かれます。
スタンダードベッド
スタンダードベッドは、シンプルなヘッドボードがついた一般的なタイプのベッドです。スタンダードベッドのヘッドボードは木など木質系の素材のほか、ファブリックやレザーを用いたものもあります。
スタンダードベッドはベッドの設置スペースが抑えられることや、ヘッドボートの形状にもよりますが、背もたれにしてよりかかれることがメリットです。特にファブリックやレザーで、背もたれにクッションが入っているタイプのヘッドボードは、よりかかって座った姿勢で過ごしやすいです。
ただし、スタンダードベッドは時計やスマートフォンなどを置く場所がないことがデメリットに挙げられます。スタンダードベッドを用いる場合は、ナイトテーブルなどを横に置くのがおすすめです。
宮付きベッド
宮付きベッドとは、ヘッドボート部分がキャビネットになっているタイプのベッドをいいます。宮付きベッドのキャビネットには、時計やスマートフォン、本などを置くことができるので便利なことがメリット。照明やコンセントがついたタイプもあり、寝ている間に近くでスマートフォンの充電ができるという利便性の高さもあります。
ただし、宮付きベッドはキャビネットの分のサイズが大きくなるため、スタンダードベッドよりも設置スペースを必要とすることがデメリットです。また、キャビネットになっていることから、よりかかりにくいことが不便に感じる可能性もあります。
フレームなどの種類
フレーム部分に収納がついたタイプは、主に引き出し収納付きベッドと跳ね上げ式収納付きベッドに分けられます。また、高さの低いローベッド、ヘッドボードやフレームのない脚付きマットレスといった種類のベッドもあります。
引き出し収納付きベッド
引き出し収納付きベッドは、ベッドの下部に引き出しがついたタイプのベッドです。
引き出し収納付きベッドを含め、収納のついたベッドに共通していえることですが、限られたスペースを有効に使えるというメリットがあります。中でも引き出し収納は出し入れがしやすいのがメリットですが、収納を引き出すためのスペースを必要とする点がデメリットといえます。
跳ね上げ式収納付きベッド
跳ね上げ式収納付きベッドは、ベッドの床板が跳ね上がり、下部が収納となっているタイプのベッドです。跳ね上がる方向は縦方向のタイプと横方向のタイプがあります。
跳ね上げ式収納付きベッドはベッドのスペースがほぼそのまま収納となるため、スキーセットやスノボーセット、ラグ、スーツケースといった大きなものもしまっておけることがメリットです。
一方でベッドフレームの高さが高いほど収納力がある反面、ベッドの高さが高くなることがデメリットに挙げられます。ベッドに出入りしにくいほか、落下時のリスクがあるためです。また、収納に仕切りがないものが一般的なことから、しまいにくいと感じる可能性があります。
跳ね上げ式収納付きベッドの多くはガス圧式などで簡単に開閉できるようになっていますが、頻繁に出し入れしないものを収納したい場合に向いています。
ローベッド・フロアベッド
ローベッドやフロアベッドは高さが低いタイプのベッドを指します。ローベッドは小さなお子さまでもベッドへの上り下りがしやすく、落下したときのリスクが軽減できるといった点がメリットです。また、ベッドの高さが抑えられているので開放感が生まれることや、おしゃれでスタイリッシュなデザインのものが多いことからも人気を集めています。
ただし、ローベッドはソファ代わりに腰掛けようとすると、低くて座りにくいと感じる可能性があります。また、ベッドの下部を収納スペースとして使いにくいこともデメリットに挙げられます。
脚付きマットレス
脚付きマットレスとは、ヘッドボードやフレームがなく、マットレスに直接脚が取り付けられたタイプのベッドをいいます。
脚付きマットレスはフレームがないことから、省スペースで設置できるほか、価格もリーズナブルなことがメリットに挙げられます。
一方でカバーを外してマットレスのローテーションができるものを除くと、マットレスのローテーションができないことがデメリットです。ベッドのマットレスは定期的に裏表、頭側と脚側の位置を入れ替えるローテーションを行うことで長持ちします。また、脚付きマットレスはカジュアルな印象のインテリアです。
まとめ
毎日を快適に過ごすために、自分に合った寝心地のマットレスを選びたいものです。ベッドフレームは寝室での過ごし方やライフスタイルに関わります。ベッドはデザイン性を考慮しつつ、機能性を重視して選びましょう。